2016年12月 7日 (水)

アンチグローバル化する世界

ジャカルタから更新。

2015年までの10年間の大きな世界の流れは

間違いなくグローバル化だったと思う。

インターネットが普及して、

世界で起きることがリアルタイムでネットから入手できるようになり、

日本の製造業が海外に出て行って国内が空洞化したり、

海外で作られた製品が日本にどんどん入って来た。

しかし2016年はこのグローバル化の流れが反転した年であった。

英国のEU離脱、米国の大統領選挙と、

グローバルで自由な世界から、

自国の利益を守って、狭い国内市場守る流れが始まっている。

おそらくみんな世界はそんなに大きくないということに、

気づいてしまったのだろう。

グローバル化する過程では、世界は無限に大きくて、

いくらでも成長するとみんな思っていたんだと思う。

しかし、米国一国の住宅バブルであるサブプライムローンが、

リーマンショックの引き金となり、世界金融危機を引き起こした。

金融危機後の成長の受け皿と期待された

中国や新興国のマーケットはそれほど大きいものにならなかった。

中所得国の罠と呼ばれる現象で、

中国や新興国の国民一人あたりのGDPが先進国並みになるには壁が存在した。

そして恒久に成長し続けるには世界は小さすぎて、

既に金融市場は肥大化してしまった。

どこかでそのバブルをはじけさせないといけないのだけど、

自分の国の被害は最小限にしたい。

そうした流れのなかでのアンチグローバルなのだと思う。

米国の金利が上がっているが、

これが引き金となってバブル化した何かのマーケットがはじけそうだ。

そしてそれはリーマンショックより大きな金融危機を引き起こす可能性がある。

トランプ次期大統領はそれを意図的にやるのかもしれない。

日本も対米従属一辺倒でない、

したたかな戦略がいよいよ必要な時代になったのだと思う。

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2016年2月23日 (火)

長期停滞論

2016年日本経済は急激な株安、円高の流れで始まった。

この急速な変動を抑えるために日銀は、

マイナス金利という異例の政策を導入したが、

その効果は1週間と続かず、株安、円高の流れは変わらなかった。

その結果、日銀の、そして世界の中央銀行の、

金融緩和による景気刺激策は限界にきているのではないか、

という疑念が市場に広がっている。

そこで、にわかに再注目されて来ているのが、

2014年1月に執筆された元米国のサマーズ元財務長官の

「先進国の長期停滞論」である。

その趣旨は、リーマンショックから4年間経過しても、

米国では大規模な金融緩和が行われ実質金利がマイナスにもかかわらず、

GDPの水準が潜在GDPを下回っていて(需要不足)

勤労者の所得が回復していないという、

全くもって、今の日本経済の状況を予言しているものなのである。

つまり先進国でいくら金融緩和をして投資を促進しても、

先進国内では新たに大きな需要を作り出すことはできず、

余った資金は、持続不可能なほど早いスピードで

膨張する市場を求めて溢れ出すということなのだ。

米国の金融緩和(QE)で溢れ出した資金は、

シェール革命や中国や新興国に急激に流れ込み、

持続不可能なスピードでそれらの市場はバブル化した。

それらの市場の成長が無限に続くことはなく、

今、バブルがはじける懸念が高まってきている。

米国の対外債務は800兆円を超え、

リーマンショック時よりはるかに膨張してしまっている。

なにかのバブルの崩壊が引き金になって、

もしも大規模な金融危機が起これば世界の経済に、

予想もつかない大変な影響が起こるだろう。

今週G20が開かれるようであるが、

このような現実を見つめて、

先進国の経済成長という幻想を捨てて、

自国の通貨安、自国の株高対策という我欲を捨て、

持続可能な世界経済の安定運営へ向けて、

ヘッジファンドの行き過ぎたマネーゲームの規制を含めた、

グローバルな対策を打ち出せることを強く願っている。

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2014年12月 5日 (金)

インドネシアの展示会

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ジャカルタで開かれている機械工具の展示会に行ってきた。

この展示会は毎年開かれていて今年28年目らしいが、

私は10年ほど前にも行ったことがある。

その時の展示はプレハブ小屋のようなホールに

工具屋で売っているような工具と

コンプレッサーなどの簡単な機械が展示してあるだけだった。

しかし今回の展示は

最先端のNC機械やロボットや3次元測定器が

世界各国から出品されていて、

日本で開かれる同様の展示会と比べてまったく遜色なかった。

そういえば10年前のインドネシアの工場は、

日本で10年20年使われた機械が、

インドネシアに運ばれてメンテされて、

第2の人生を送っているという場合がほとんどだった。

それがここ10年でオートバイの国内市場が

年間800万台を記録し、

自動車の販売台数も100万台に乗せると

最先端の機械を導入しても

十分ペイするようになったということなのだろう。

そしてこの間にワーカーの最低賃金は3倍になっている。

いわば日本が30年間かかってやった経済成長を、

10年間でやってしまったような感じだ。

(もちろん資産のストックはないのでほとんどローン)

コンピュータなどの技術革新の速い業界の時間の流れを

成長の速いイヌにとっての1年は人間の7年に相当するという意味で

ドッグイヤーといったりするが、

インドネシアも1年を3年ぐらいの

トリプルイヤーの感覚でやっていかないと

こちらも感が狂ってしまう。

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2014年5月 1日 (木)

野田太陽光発電所

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千葉県野田市に358kWの太陽光発電設備を設置し、売電を開始した。

2013年度の全量買取の契約なので36円+消費税で

20年間の固定買取。

パネルは韓国製の多結晶シリコン。

太陽光に投資するのは3回目で、

最初は自宅に2011年の震災後の夏に2.5kW(国産単結晶パネル)。

2回目は2012年伊万里工場の屋根に50kW(国産多結晶パネル)。

どちらも予測の発電量を大きく上回っている。

発電量の予測は過去10年の気象データを元に予測されているので、

近年になって異常気象が進んでいるせいなのかもしれない。

今回の野田発電所の投資は、

今期もし利益が出れば即時償却したいと思っている。

(即時出来なければ30%特別償却)

節税と、20年間の安定収入と、クリーンなエネルギーの供給。

なんかステキだ。(実は買取差額は国民負担...)

でも、こんなウマい話は長くは続かないということで、

2014年の買取価格は32円+消費税に下がった。

設置業者に聞くと、今年度に入り受注はサッパリダメということだった。

たぶん即時償却のメリットがないと、

メガ(1000kW)以上の大規模な発電所でないと採算は厳しいと思う。

この発電所、20年後に固定買取が終わったころは

発電量は下がっても、まだパネルは使えるだろうから、

その時は東電以外の電力事業者に売ることにしよう。

当然、売電は広く自由化されているはずだから。

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2013年12月20日 (金)

インドネシア最低賃金2014

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現地法人の社員と昼食会。

インドネシアのブカシ県(工業団地の多いエリア)2014年の最低月額賃金は、

今年の200万ルピアから来年245万ルピアへ

今年も40万ルピア以上あがる。

去年の最低賃金が160万ルピアだったことを考えると急激な上昇だ

それでもインドネシアへの外資の投資は活発で、

そこかしこで、新規の工場が建設されていることを考えると、

当分はこのぐらいのペースで毎年上がりそうだ。

インドネシアの人件費は他のアセアンの国と比べても

そんなに安い方ではなくなってしまった。

輸出型企業が人件費の安さを狙って投資する水準では、もはやない。

インドネシアへの今後の投資は

現地の2億4千万人の成長するマーケットを

期待しての投資に絞られてくるだろう。

しかし、恐ろしいスピードと量だ

アジア通貨危機の前のインドネシア投資ブームと規模が全然違う。

今回の投資の流れは、FRBの金融緩和縮小ぐらいでは揺らがないだろう。

この数年インドネシアの民衆の暮らしが豊かになったことは間違いなく

たとえバブル景気であっても、それは喜ばしいことだ。

 

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2013年6月28日 (金)

インドネシア販売会社の移転

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ジャカルタの渋滞があまりにも酷いので、

インドネシアの販売会社のオフィスを

ジャカルタ市内から東に30km離れたチカランの

製造会社の隣にあった倉庫内に移すことにした。

ジャカルタの市内の渋滞は異常で

10kmの市内を通過するだけで2時間はかかってしまう。

ジャカルタ近郊の新しい工業団地はすべて東側にあるので

東側を拠点にすれば顧客を回るには渋滞を回避できる。

ジャカルタに借りていた賃料もかからなくなるので

改築料もすぐ元は取れるし、

製造会社の隣に販売会社を置いたことで

コミュニケーションも良くなるだろう。

問題はチカラン新事務所から

ジャカルタ西側のスカルノハッタ国際空港まで

60kmの距離なのに4時間もかかることだ。

早く、カラワン新空港作ってほしい。

*参考

http://indojoho.ciao.jp/130329_1.htm


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2013年4月22日 (月)

TPPと日本の今後

全くTPP参加のメリット見えないなかでの交渉参加が決まって、

TPPに参加するメリットとして

米国との安全保障に役立つとの論調もあるようだ。

武力を背景に米国と不平等条約を結ばされるのは

黒船の時代から変わってないんだなあと思う。

米国による日本の官僚組織(あるいは国民全体)へのコントロールは

太平洋戦争の敗戦で深層心理まで染み着き

かなり根深いんだなあとしみじみ思う。

そういう意味では民主党政権の当初の取り組みは

米国支配から脱却したいという深層心理にまで届かなかった

(ある意味物質文明に心から満足していた)ので成功しなかったのだろう。

今回の日本政府の圧力による極端な日銀の金融緩和は

米国との協調で行っていると私は見ている。

円はドルに対し急速に安くなったが米国はそれについて何の批判もしていない、

米ヘッジファンドは円安でかなり利益を出したようだ。

結果、米国も日本もジャブジャブ金融緩和をしてるけど、

これ以上大きく成長しない世界では

ドル(米国債)か円(日本国債)がどちらかが暴落するまでは

この金融緩和というチキンレースは続いてしまいそうだ。

このチキンレースはデキレースで

きっと支配下の日本の負けなのだろう。

負けるなら早く負けたほうが傷は浅いのだが、

国益、国益とエサに飛びついてしまったのだから

骨までしゃぶられるのは自業自得なのかもしれない。

もう便利なモノを開発して世界に売って儲けて成長する時代は終わってしまった。

諸行無常ですべては変化していくのに

人間は自分自身に被害が及ぶまで変われない。

日本は少子高齢化で難しい時代に突入するが、

それでも人口が減少してマーケットが成長しないという日本の状況は

これから40年後の全世界共通のテーマだから

そこに向けてのイノベーションを地道に研究するのは無駄ではないと思う。

高齢化して人口が減少して経済成長しない社会で、

いかに安心安全に幸福感をもって暮らせる社会を築くか

やりがいのあるテーマだと思う。


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2013年4月 3日 (水)

インドネシア近況

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ジャカルタから帰国。

インドネシア国内は昨年バイクが700万台売れたそうだ。

今年は900万台を計画しているそうだ。

いくら人口が2億4千万人いるとはいえ

そんな調子で販売していては

近い将来に飽和してしまうだろう。

自動車も家も良く売れている。でも全部ローン。

明らかにバブルだ。

金融緩和で先進国が金融緩和したマネーが

流れ込んできているのだろう。

インドネシアのローン金利は8%~10%だから

それは美味しいのだろう。

政府は景気の過熱を防ぐ意味で

ローンの頭金を25%(車や家は30%)取ることを義務づけたが

シャリア銀行などのイスラム金融が

その頭金を割賦にしていて実質骨抜きになっていた。

この5月からシャリア銀行などによる頭金の割賦は禁止になるようだ。

物が売れなくなって景気が悪くなればローンを払えなくなる人がでるだろうが

まだまだローン落ちのバイクでも欲しい人は多い

まだ間に合う

バイクが行きわたらないうちにソフトランディングして欲しい。

インドネシアが好きだからね。


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2013年2月23日 (土)

2052 今後40年のグローバル予測

”2052今後40年のグローバル予測”を読んだ。
著者のヨルゲン・ランダースは40年前に出された
”成長の限界ローマ・クラブ人類の危機レポート”の編者の一人である。

”成長の限界”を読んだのは私が浪人生の時で、
駿台予備校のユニークな先生がテキストとして使っていて
その衝撃的な内容は私のこれまでの生き方に少なくない影響を与えている。

本書も”成長の限界”に劣らず衝撃的な内容である。
著者はこの過去40年間の危機に対する人類の対応を見て
人類は”自分の身”に危機が実感されない限り、有効な対策を取らないと断ずる。
その結果2040年には異常気象と社会不安は増大する。
しかしそれは人類の危機にとって壊滅的な状態にはならないという。
(大きな痛みと変動を伴うが人類は滅亡しない)
それは、世界中が都市化することにより出生率が下がり人口は減少していき
世界のGDPも減少していくのが、
壊滅的なオーバーシュートには間に合いそうだからだ。
そして自然エネルギーの増加による持続可能な社会で
消費の増加が幸福の増加ではないという認識が共有される。

予測であるので著者の主観が入るのは避けられないが、
ここに原稿を寄せている多数の識者が同じような未来を予測している。

いま日本の置かれている
少子高齢化による人口減少とGDPの成長限界
そして幸福感の問題は、
30年後の世界中の問題であることがわかる。
今後、日本がこの問題のブレイクスルーを見つけることができれば
世界に貢献できることになると思った。

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2012年12月21日 (金)

ジャカルタ経済事情からみた日本の今後

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ジャカルタ市内の渋滞は年々酷くなり

10km程度の市内を抜けるのに2時間以上かかる

尋常でない状態になっている。

笑い話だが、ジャカルタ市の車の登録台数を並べると

ジャカルタ市の道の面積より広いそうだ。

写真のように一般道を高架で2層にしようとしているが

全然間に合っていない。

ジャカルタ市は来年に市内に入る車の

ナンバープレートを奇数・偶数の輪番制にするとアナウンスしている。

しかし闇で簡単にナンバープレートは買えるし

付け替えるのも簡単なので

どこまで効果があるかは疑問符が付く。

それでも車は売れ続け各社は小型車の増産に入っている。

ジャカルタ周辺の最低賃金は

デモや組合のプレッシャーに

選挙の評判を落とせない市長が

値上がりを大幅に認めて

150万ルピア(約1万4千円)から

来年1月から240万ルピア(訳2万2千円)に急上昇した。

この賃金の高騰にサムスンの工場が撤退を決めた。

繊維産業などの輸出型企業はインドネシアでは成り立たなくなるだろう。

ちょっと前までは最低賃金は100万ルピアで

年間の上昇率も10%程度だったからこの上昇率は完全に異常。

行き場のない先進国の金融緩和マネーが

人口が2億4千万人の市場であるインドネシアに流れ込み

ワーカーがオートバイを買い

ファミリーが車を買い

リッチなファミリーが家を買う

でもみんなローン。

政府は過熱を防ぐため頭金を30%以上取る規制を今年から始めたが、

実態は30%もらってからキャシュバックしているようだ。

危なっかしい。明らかにバブル、ミニ・サブプライムだ。

だいたいインドネシア人はローンは返せなかったら

品物を返してしまえばいい、という考えで気楽にローンを組むから、

いったん信用収縮が始まれば、物が売れない、工場はリストラ

ローン払えないの悪循環が始まる。

2億4千万の人口でさえ

金融緩和で行き場のないマネーを受け止めきれずに

あっという間にバブル化している。

たぶん間違いなく10年以内に

世界の新興国の労働者の賃金は、ほぼ同じになり、

(一国内での失業者との貧富の格差はあるけど)

少なくとも新興国の賃金は先進国の30%以上にはなるだろう。

そうなったとき日本人は日常の最低限の文化的な生活に

必要なものはきっと安価に手に入るようになると思う。

でも10年以内にドルも円も暴落してしまうんだろう。

このたび日本国債は米国債と心中を決めたみたいだからだ。

日本人のモノ・カネ信仰の時代が終わって

ココロの時代が来る日も近そうだ。

(円が弱くなるから、そこに価値を持てないだけだけど)

それでも日本人は勤勉では仕事が好きだから

これからの仕事はソーシャルビジネス、

コミュニティビジネスになっていくのだろう。

それもなんか楽しそうだ。

この10年日本はとても辛いけど

10年後はきっと違う日本になる。

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