消滅可能性都市
ピーター・ドラッカーは著書「ネクスト・ソサエティ」のなかで、
「21世紀の最大の不安定化要因は人口の構造変化である。
ただし、先進国における最大の問題は高齢化ではない。少子化のほうである。」
と述べている。
日本の人口ピラミッドの実績と予測を見てみよう。
↑クリック(gifアニメーション)
5年単位で動いているにもかかわらず
急激な変化があることに驚く。
1年1年では変化が感じられなくても
実は少子化という大きな流れは間違いなく進んでいる。
茹でガエルの法則。
だからドラッカーも同様のことを、色々な著書で警告している。
それは少子化は日本だけの問題ではなく、先進国共通の問題で、
数十年後は東南アジアの国々の問題でもあるからなのだ。
最近新しい予測も出た。
産業界や学界の有識者らで国のあり方を議論する
「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が出した
消滅可能性都市のリストだ。
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_2_1.pdf
これは子どもを産む人の大多数を占める20~39歳の女性人口の
2040年での減少率を予測して減少率50%以上の都市を
自治体が維持できなくなる消滅可能性都市として警告している。
上のピラミッドを予測した国立人口問題研究所では、
地方から大都市に毎年約6万~8万人の流出は
2020年に落ち着くとしているが、
日本創成会議は6万~8万人の流出が将来も続くと仮定し、計算をし直している。
私は生活が豊かになって、子供にお金をかけるようになり、
だんだん社会が少子化になっていくのは、
有限な地球の資源を食いつぶさないように
神の手が働いているように思えてならない。
あるいは、増えすぎた人類が地球環境に影響をあたえるようになって、
異常気象が人類の潜在的な意識に、不安感を与えた結果なのかもしれない。
つまり地球の資源を浪費する持続不可能な生き方を変えない限り、
人口は減っていくのではないかと考えている。
少子化は、きっと生き物の種の保存の本能なのだ。
だから米国のように移民を受け入れて、
出生率の高い外国人を受け入れても、それはきっと一時的で、
長いスパンでは人口は減っていくだろう。
またいくら政策でお金をバラまいても
出生率は上がらないだろう。
心から子供の代、孫の代までの
持続可能で安心な社会を築くまでは
出生率は上がらないのではないかと思っている。
あるいは全く逆に種の滅亡の危機になれば
また出生率は上がるのかもしれないけれど...
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コメント
経済学でもアダムスミスが「国富論」の中で、社会全体の利益となる望ましい状況が「見えざる手」によって達成されると言っています。全知全能の神が存在するならきっと良い方向に導いてくれるでしょう。いつの時代も人間は年をとると「今の若い者は・・・・」と言います。私の青春時代に流行ったフォークソングも当時は「不良(反社会的)な音楽」との評価でしたが今では教科書にも載っている歌もあります。人類は確実に変化し環境に合わせた最適な方向へ向かっていると思いますが?そうあって欲しいものです。
投稿: 堤 | 2014年5月13日 (火) 11時50分
経済成長や物質的な豊かさを良い方向とするなら、今後の日本はそうならないと思います。しかし個人の幸福感は、またそれらとは、全く別の物であると思うのです。人口が減り経済が縮小していくなかで、いかに幸せに暮らし、そして幸せに老いていくか、急激な少子高齢化が世界の中でも真っ先に訪れる日本人の生き方が、神に問われている気がします。
投稿: シモムラ | 2014年5月14日 (水) 05時43分